静的解析とは? 静的解析ツール + 静的コード解析ツールの概要 【後編】
静的解析
セキュリティとコンプライアンス
静的解析は、プレッシャーにさらされている開発チームを支援します。品質の高いリリースを予定どおりに提供する必要がありますし、コーディングとコンプライアンスの規約を満たす必要もあるのです。間違いは許されません。
そのような理由から、開発チームは、この仕事に最適な静的コード解析ツール/ソースコード解析ツールを使用するのです。ここでは、静的解析と、静的コード解析ツールを使用する利点、および静的解析における制限について説明します。
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最高のソースコード解析ツールを使用する利点は?
静的解析ツールには、特に業界標準に準拠する必要がある場合に、いくつかの利点があります。
最高の静的コード解析ツールは、速く、深く、精度の高い解析を提供します。
- スピード
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開発者が直接見てコードレビューを行うには時間がかかります。自動化ツールを使用すると、はるかに高速に実施できます。
静的コードチェックであれば、早い段階で問題に対処できます。また、コード内のエラーの場所を正確に特定します。そのため、エラーをより早く修正できます。さらに、コーディングエラーが早期に発見されると、修正にかかるコストも少なくなります。 - 深さ
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テストでは、すべてのコード実行ルートを網羅することはできません。しかし、静的コード解析ツールでは可能です。
静的コード解析ツールは、コーディング中にコードをチェックします。適用したルールにもとづいて、コード内の潜在的な問題が発生する可能性のある箇所を詳細に解析します。 以下は、Klocworkの詳細なコード解析の例です。Klocworkでのコード解析の例 - 正確さ
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人の目によるソースコードレビューでは人為的なエラーが発生しやすくなります。自動化ツールではその心配はありません。
すべてのコード行をスキャンして、潜在的な問題を特定します。これにより、テストを開始する前に、高品質のコードが確実に用意されます。
静的解析ツール/ソースコード解析ツールは開発者がシフトレフトに取り組むのに、どのように役立つのか?
静的解析は、ソフトウェアアプリケーションの信頼性、セキュリティ、保守性を確保するために不可欠な手法です。開発者は、問題を早期に特定して修正することで、コード品質の改善、セキュリティの強化、コンプライアンス準拠など、効率を高められます。静的解析ツールを使用すると、開発者はセキュリティ問題のリスクを軽減しながらより高品質のソフトウェアを開発し、問題のデバッグと修正に費やす時間と労力を最小限に抑えられます。
「シフトレフト」とは、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)の早い段階で自動化されたソフトウェアテストおよび解析ツールを用いる手法を指します。従来、テストとコード解析はコードが作成された後に実行されることが多く、問題対処が後手後手になっていました。シフトレフトに取り組むことにより、開発者は深刻化する前に問題に気づけるため、デバッグとメンテナンスにかかる時間と労力を削減できます。これは、頻繁なコード変更や更新によって問題が多数発生する可能性があるアジャイル開発では特に重要です。
静的解析の主な利点は、デバッグやテストの時間と労力を節約できることです。開発プロセスの早い段階で潜在的な問題を特定することで、問題の修正が困難(およびコストがかさむ)になる前に対処できます。また、早くから静的解析を始めることで、時間の経過とともに信頼性が高く、保守が容易な高品質のアプリケーションが得られるだけでなく、問題がコードベース全体に広がり、後工程で検知して修正するのが困難になることも防げます。
静的解析によるシフトレフトの利点は次のとおりです。
- 問題の早期検出開発プロセスに静的解析を取り入れることで、開発者は問題を早期に発見し、問題が大きくなる前に対処できます。これにより、デバッグとメンテナンスに必要な時間と労力が削減され、コードの信頼性とセキュリティが確保できます。
- コスト削減SDLCの早い段階で問題に対処することで、プロセスの後半でバグやその他セキュリティの問題などを修正するコストを削減できます。これにより、時間とリソースを節約し、プロジェクトのタイムラインに影響を与える可能性のある遅延やその他のリスクを軽減できます。
- コード品質の向上静的解析は、コーディング規約違反や、コード品質に影響を与える可能性のあるその他の問題を特定するのに役立ちます。これらの問題に早くから取り組むことで、開発者はコードが適切に記述され、保守しやすく、デバッグしやすいことを保証できます。
- セキュリティの強化静的解析ツールはコード内のセキュリティ脆弱性を事前に特定できるため、開発者はコードを本番環境にリリースする前にこれらの問題に対処できます。これにより、セキュリティ脆弱性やアプリケーションのセキュリティに影響を与える可能性のあるその他の問題のリスクを軽減できます。
最高の静的解析ツールでシフトレフトを行うことで収益が向上する理由
静的解析によるシフトレフトにより、組織の推定投資収益率(ROI)が向上し、コスト削減が実現する可能性があります。
静的解析の主な利点の1つは、SDLCの早い段階で欠陥や脆弱性を発見できることです。早期発見は、長期的には組織内の時間とコストの節約につながります。米国国立標準技術研究所(NIST)の調査によると、開発サイクルが進むにつれて、欠陥の修正コストは大幅に増加します。要件フェーズで検出された欠陥の修正コストは約60ドルと推定されるのに対して、製造段階で検出された欠陥の修正コストは最大10,000ドルにもなりえます。静的解析を採用することで、製造段階まで残る欠陥の数を減らし、欠陥の修正にかかる全体的なコストを大幅に削減できます。
静的解析は、欠陥修正のコストを削減するだけでなく、コード品質も向上させ、さらなるコスト削減につながります。コード品質の向上により、テスト、デバッグ、メンテナンスに必要な時間と労力を削減できます。IBMの調査によると、コード品質を向上させることで、欠陥修正のコストを最大75%削減できることがわかりました。
セキュリティは、静的解析がコスト削減に役立つもう1つの分野です。特に、セキュリティ違反やブランドステータスの低下に関連するコスト削減に役立ちます。あるIBMの調査によると、データ侵害のコストは125万ドルから819万ドルにおよぶ可能性があります。静的解析により、SDLCの早い段階でセキュリティの脆弱性を検出できるため、ソフトウェアを展開する前に脆弱性を修正できます。これにより、セキュリティ侵害のリスクとコストを大幅に削減し、組織の評判を守れます。
コスト削減に加えて、静的解析は生産性の向上ももたらします。開発サイクルの早い段階で欠陥を見つけることで、開発者は後工程でのデバッグや欠陥の修正に必要な時間と労力を削減できます。これにより、追加の機能開発やテストなど、他の開発活動に時間を割けます。生産性を向上させることで、ソフトウェア開発の時間とコストを削減し、ソフトウェアをより迅速に提供できる能力を高められます。
ソフトウェア開発でシフトレフトアプローチを採用すると、大幅なコスト削減とROIの向上を実現できます。欠陥や脆弱性を早期に検出することで、企業は欠陥修正のコストを大幅に削減し、コードの品質とセキュリティを向上させ、生産性を高められます。これらのメリットにより、顧客満足度の向上、ソフトウェアの品質向上、開発コストの削減につながります。
静的解析ツールを選択するには?
どのツールが適切かを判断する際に考慮すべき点がいくつかあります。
- プログラミング言語
- 開発ツールはさまざまなプログラミング言語ごとに設計されています。そのため使用する言語に対応するツールを選択することが重要です。
- 規約/標準
- 静的解析ツールの主な用途の1つは、さまざまな業界標準に準拠することです。したがって、コーディング規約への対応を求める規制の設けられた産業で業界標準に準拠する必要がある場合は、ツールがその標準をサポートしていることを確認する必要があります。
- ソースコード解析ツールを選択するためのヒント
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静的コード解析ツールを選択するためのヒントをもっと知りたいですか?「最適な静的コード アナライザーの選択方法」では、次の内容を取り上げています。
- 静的コード解析の利点と課題
- 使用上のベストプラクティス
- 最適なツールを選択するための6つの要件
静的解析にPerforce静的コード解析ツールを選択する理由
Perforceの静的解析ソリューションは、 さまざまな業界のミッションクリティカルなプロジェクトチームに最も正確で精密な結果を提供することで、30年以上にわたって信頼されてきました。Klocworkはコーディング規約とコンプライアンス要件に準拠していることが認定されています。また、誤検知と検出漏れも少なくなります。
Klocworkがソフトウェアの品質にどのような違いをもたらすかを体験してください。
Klocworkのデモやトライアルに関する情報はこちら
Perforce社コラムより
https://www.perforce.com/blog/sca/what-static-analysis
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