導入事例
GMOメディア株式会社 様

GMOメディア株式会社 様

導入ポイント・導入効果

  1. ボトルネックとなっていた定型作業など、約50業務のロボット化を実現
  2. 定型作業の効率化により、月150時間の作業時間短縮を達成

ポイントサイトやブラウザーゲームなどを展開するGMOメディア株式会社は2018年1月、社外と自社のシステム間で生じるデータ転記作業の効率化を主眼にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「BizRobo!」を導入した。大半の事務作業をWebベースで処理している自社の実態に即し、ブラウザー内蔵型の同製品を採用。システム開発経験を持つ社内開発者と導入現場の社員による協業、さらに外部エンジニアによるRPA導入支援も得ておよそ50の作業にロボットを採り入れ、処理に要する時間を月あたり150時間短縮した。
社長が率先してロボットの活用を訴え、普及への願いを込めた愛称「シェリー」もアピール。この結果「シェリーに任せる」という言い回しが業務効率化全般を指す社内用語として定着するまでになったという。

導入の背景と狙い

人材獲得競争で問われる「仕事への満足度」

<システム構築・改修によらないルーチンワークの効率化を模索>

GMOインターネットグループの1社で、ポイントサイト「ポイントタウン」やゲームサイト「ゲソてん」などのメディア事業を展開するGMOメディア。無料の各サービスをサイト内の広告収入で支える事業構造から、広告効果を測定・分析する社外サイトと自社システムとの間では、定型的で煩雑な転記作業が常に生じている。
雇用の流動性が高いIT業界にあって、仕事への満足度は優れた人材の獲得と定着に直結する。「人間にしかできない業務への特化」は、かねて同社の課題だった。
Webサイトやアプリの開発者・デザイナーが半数以上を占める同社社員のITスキルは総じて高いが、こうした技術力は提供するサービスの開発・改善にまず充てられる。そのため社内のルーチンワークの効率化においては、より手軽な方法も求められていた。

導入の決め手と導入効果

Webを多用する業務に適した「BizRobo!」を評価

<内蔵ブラウザーのほか「Chromium」経由の操作も可能>

Webサービスを開発提供するフロント部門のほか、社内的な事務作業を担うバックオフィスでもクラウドサービスを多用する同社は、業務の大半をWeb上で処理している。数種類のRPAツールを比較検討した結果、内蔵するブラウザー経由でWeb関連の作業を確実に代替できるBizRobo!の採用が決定した。
BizRobo!でのロボット作成には視覚的な操作画面のほか、スクリプト言語を使うこともできる。そのため、さまざまなITスキルの持ち主が自分に合った方法でロボットを自作できる点も評価された。導入後判明したメリットとして「異なるプログラミング言語で構築されたシステム間の連携が、いずれの言語にも依存せずに可能」(緒方氏)な点も大きいという。
BizRobo!標準の内蔵ブラウザーを用いた実装のほか、GoogleのWebサービスと親和性が高いブラウザー「Chromium」で作業を実行できる拡張機能の活用も検討されている。

GMOメディア株式会社
内部監査室 リーダー 緒方 太 氏

50業務のボトルネックを狙ってロボットを投入

<導入支援サービスの利用で早期に社内開発体制を確立>

運営するWebメディアでの広告効果が集計された社外サイトからデータを取得し、社内管理用のスプレッドシートに転記する週次業務や、毎月行う売掛金の伝票起票など、2019年3月現在で約50業務にロボットを活用している。
RPA推進の先頭に立つ社長のほか、ITと社内業務に通じた運用担当者2人でプロジェクトチームを構成。業務効率化に意欲的な現場の担当者らを迎えた月次ミーティングで導入を進めてきた。
導入初期には株式会社シーイーシーのRPA技術者も常駐。複雑なシステム連携を伴うロボット化を担った。導入支援を担当した同社の髙橋氏は「セキュリティの関係で内部からアクセスが必要だったこともあり、技術者が導入部署に机を並べ、たたき台となるワークフローの図面をもとにコミュニケーションを重ねながら、トライアンドエラーで実装に取り組みました」と振り返る。

作業時間を月あたり150時間短縮

<社長直々に訴えたロボット化の意義が社内に浸透>

BizRobo!導入による定量効果の測定方法は企業ごとに異なる。同社では、既存業務を代替した場合「ロボット化前後での作業時間の差分」を算出。従来手が回らなかった作業を新たにロボットで実現した場合は「人手による処理を仮定した所要時間と実際の作業時間との差分」を集計している。
2019年3月時点で実現している業務時間の短縮は「月間150時間」。ロボット導入1件あたり平均月3時間の短縮を達成した計算だ。
全社への理解と協力を社長自ら取りつけるなど、社を挙げてRPA推進が図られた結果、「人間しかできない仕事への特化」という趣旨はくまなく浸透。導入から1年あまりで「シェリー」の愛称も定着し、プロジェクトチームでロボットの実装と運用を担当する緒方氏のもとには、チーム外から「自分もシェリーをつくりたい」という声も舞い込むようになったという。

写真:右)GMOメディア株式会社 内部監査室 リーダー 緒方 太 氏
写真:左)株式会社シーイーシー サービスインテグレーションビジネスグループ 第二営業部 髙橋 奈央

今後の活用と展望

現場のメリットだけに頼らないロボット活用戦略

<プロジェクトチーム主導で「広く薄く」効果の積み上げを狙う>

同社はRPA導入を機に、全社の業務を再検証。このうち「ITエンジニアが自己完結可能な作業」は、エンジニア自身の手で相当程度自動化されていることが分かっている。 一方、改善の余地が大きい業務領域では「1回数分以内に終わる手作業でロボット化への動きが鈍い」のが課題という。これは、そうした作業をロボット化すると、担当者が自席を離れてBizRobo!操作用のPCがある“シェリー専用席”まで移動する手間のほうが大きく、現場レベルで改善のメリットを感じにくいためだ。
そこで今後は、ロボット化可能な作業のうち、所要時間が短くても複数部署で共通しているものについてはRPAプロジェクトチームの主導で移行させ、全社レベルでの効率化を図る方針。相応の導入規模に達した時点で、BizRobo!を用いた作業が各席からできる運用に変えるほか、ロボットの夜間稼働も始める計画だ。

現場の声

「僕が僕であるために」生かす「シェリー」の力

BizRobo!導入を機に高まる業務改革の機運

BizRobo!導入にあたり、当社は代表の森輝幸が推進の音頭を取りました。ロボット化の意義として「人間しかできない仕事への特化」を訴えた社長は、歌手・尾崎豊の曲「僕が僕であるために」を引用。これがもとで、同じく彼の曲にちなんだ「シェリー」がロボットの愛称に決まりました。その後社内では「シェリーに任せる」という表現が定着。BizRobo!以外も含む業務の効率化・自動化全般を指すようになっています。もともと新しいテクノロジーを歓迎する社風ですが、「業務を楽にし、仕事の付加価値を高めるのに最適な方法を採り入れる」意識の高まりは予想以上でした。これは、やはり端緒をつくったBizRobo!の存在が大きかったと思います。(緒方氏)

お客様プロフィール

商号 GMOメディア株式会社
本社 〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー
代表者 代表取締役社長 森 輝幸
事業内容 メディア事業、その他メディア支援事業
設 立 2000年10月13日
URL https://www.gmo.media/

※記載の情報は取材当時のもので、閲覧時点には変更されている可能性があります。

製品・サービスに関する
お問い合わせ

資料請求/お問い合わせ

月~金(土日祝・年末年始を除く)9:00~17:00